国道417号
part2

R303奥いび湖大橋交差点〜R476交差点
揖斐川町→
→池田町

58.奥いび湖の湖畔を走る 59.法面崩落(?)のため片側交互通行規制 60.「横山ダムから2km」
 奥いび湖大橋交差点からはR303から分岐して単独区間となって湖畔を走る。小さな沢を渡りながらヘアピンカーブを曲がり、次いで右の急カーブを曲がる。センターライン付きの2車線道路で勾配は緩やかではあるが、急なものを含めてカーブが多く見通しはあまり良くない。

61.川尻桟道橋 62.「上り5%勾配」 63.川尻橋と川尻トンネル
 川尻桟道橋を渡って5%の勾配を上った左カーブの先で川尻橋を渡って川尻トンネルをくぐる。川尻桟道橋の北に新川尻橋が架かっていたが、既に撤去されている。撤去された古い橋の名称は“新”川尻橋で誤りではない。おそらく“新”川尻橋の前に別の川尻橋が架かっていたのだろう。また、川尻橋と川尻トンネルの間とトンネルの北坑口で旧道が交差しているが、いずれもフェンスが設置されており進入できない。

64.急峻な地形を走る 65.ダムの管理用の建物? 66.親谷橋
 蛇行する揖斐川に沿った2車線道路を淡々と走る。周辺に集落のない場所ながらセンターライン付きの2車線道路と比較的整備されているが、支流の親谷に架かる親谷橋は1.5車線幅であり、大型車の離合は不可能である。冠山峠が分断されていた頃はこの幅でも問題なかったかもしれないが、冠山峠道路が開通した今となっては大型車が増える事が予想されるためボトルネックになるかもしれない。

67.鶴見ロックシェッド 68.藤橋城(プラネタリウム)は右折 69.鶴見杉原橋
 親谷橋から少し走ると鶴見ロックシェッドをくぐり、さらに揖斐川沿いを走ると藤橋城やふじはし星の家といった施設に至る町道との交差点を通過する。かつては集落があったのだろうが、現在は公営施設やキャンプ場といったものはあるものの一般の家屋は見当たらない。なお、藤橋城の外観は城だが歴史あるものではなく中身はプラネタリウムである。

70.「徳山ダム4km」 71.池太沢夜叉隧道 72.雷倉大岩魚橋
 藤橋城への北川の出入口に当たる町道との交差点を過ぎると徳山ダムまでの案内標識が設置されているが、これもいずれ“福井”の文字が追加されるかもしれない。緩やかに左にカーブして内部でS字状のカーブを描く池太沢夜叉隧道をくぐり、藤橋川太郎橋、花房猿巻橋、花房ビッキ橋を渡ってやや急な左カーブの先で雷倉大岩魚橋を渡る。池太沢夜叉隧道以北のトンネルと橋梁の名称は曰くありげな長いものが多いのが特徴である。名称の由来や元になった伝承等が記されたプレートが各トンネル・橋梁に設置されているが、文字が小さく走行中に読む事はできない。かと言って停車できる場所もほとんどなく歩道もないためじっくり読める環境ではない。池太沢夜叉隧道は池太沢の大蛇伝説に、藤橋川太郎橋は川太郎=河童に因んでいる。花房は揖斐川対岸の山の名前で、猿巻き場は地名、ビッキは民話に登場する蛙を指している。雷倉も山の名前で、大岩魚は民話に登場する魚を指している。

73.はるま平太郎橋 74.境の尾一里岩隧道 75.大徳之山隧道
 右にカーブしている犬返歩危橋を渡り、次いではるま平太郎橋(はるま平太郎という民話に登場する古狸に因む)を渡る。小津瀬くらしし橋、小津瀬もるぞ橋、小津瀬天狗橋を次々に渡ってから境の尾一里岩隧道をくぐる。小津瀬は地名で、くらししは民話に登場するニホンカモシカ、もるぞは狼を怖がらせるために狼よりも怖いものがいる事を知らせて狼から逃れようとした民話に因んでいる。天狗は一般的に知られたものだが、読みは“てんぐ”ではなく“ぐひん”であり、橋の読みは“おづせぐひんばし”という。境の尾一里隧道は旧徳山村と旧藤橋村の境だった尾根(境の尾)と杉原集落から一里の距離(=約4km)の尾根にあった岩に因んでいる。
大津瀬、こえぐら、三本松は地名(こえぐらは厳密に言えば尾根筋を指す)であり、徳之山は徳山ダムに沈んだ徳山を指しており、このトンネルは旧藤橋村と旧徳山村の境である。
 さらに小津瀬こえぐら橋と小津瀬三本松橋を渡って大徳之山隧道をくぐる。こえぐら、三本松は地名(こえぐらは厳密に言えば尾根筋を指す)であり、徳之山は徳山ダムに沈んだ徳山を指しており、このトンネルは旧藤橋村と旧徳山村の境であった。また、3つのトンネルの間がシェッドで繋がっており実質的にはひとつのトンネルとして機能している。このトンネルの隣に徳山ダムがあり、南坑口付近にダム脇に至る道路が交差している。

76.美徳千丈滝見橋と雪姫万丈滝見橋と道場山隧道 77.鏡山恵水橋と漆原乙女隧道 78.徳之山八徳橋
 大徳之山隧道を出ると院谷百丈滝見橋、美徳千丈滝見橋、雪姫万丈滝見橋を渡ってから道場山隧道をくぐる。3つの滝見橋はそれぞれ院内三滝の百丈滝、千丈滝、万丈滝に由来している。どの滝もそれぞれの橋の山側を流れており、樹木が繁茂していない時期であれば橋上から見る事ができる。道場山隧道は道場山に由来しており、トンネルの名称としてはごく普通のものである。
 さらに鏡山恵水橋を渡って漆原乙女隧道をくぐって徳之山八徳橋を渡る。鏡山恵水橋の鏡山は山の名前で、恵水はそこから流れる透き通った雪解け水が濃飛平野に恵みをもたらすという意味がある。漆原乙女隧道は旧漆原村(下開田)を漆の原野を切り開いた少女の逸話に因んでいる。徳之山八徳橋はダム建設のために八徳の心で故郷を提供した八つの集落の人々に感謝の意が込められている。また、漆原乙女隧道と徳之山八徳橋の間に町道が交差しており、約1.0km先にダム湖に沈んだ徳山村についての資料が展示されている徳山会館がある。

79.洞山鬼岩隧道 80.岐阜r270交差点 81.クツ尾みかぐら橋
 徳之山八徳橋を渡り終えて揖斐川(徳山湖)の左岸に着くと同時に洞山鬼岩隧道をくぐる。その名称はトンネルの上の洞山とそれに伝わる鬼岩伝説に因んでいる。トンネルを出た直後にクツ尾山之神橋の上にある岐阜r270交差点を通過する。クズ尾は地名であり、「くぞ」と読む。山之神は山神への感謝祭を示している。
 r270交差点を過ぎるとクツ尾杉の木橋、クツ尾みかぐら橋、クツ尾ギソ見橋、つだウヅキ橋という短い4つの橋を渡る。杉の木はその名の通り土砂災害を防ぐために植えた樹木の杉の木を、みかぐらは焼き畑で栽培されるヒエやアワ、キビへの感謝祭を、ギソは対岸に見える上谷山を指している。つだは薪の事でウズキは「キンタマウズキ」という断崖の名に因んでいる。薪の材木を断崖から落して川下の大垣市まで流して年貢として納めていたという故事があるようだ。

82.クツ尾ゴンニョ橋と本郷カンタク隧道 83.漆谷上原橋 84.カンノセ合掌隧道
 クツ尾ゴンニョ橋という短い橋を渡って本郷カンタク隧道に入る。ゴンニョという珍妙な名称は、当地(本郷)から能郷白山に至る参道(山道)を指している。本郷カンタク隧道は全長1630mと比較的長大なトンネルで、本郷に伝わる増徳寺の“かんたく和尚”に因んでいる。ちなみに本郷は徳山村の中心部だった集落である。
 本郷カンタク隧道を出て右カーブを描いている漆谷上原橋を渡ってからカンノセ合掌隧道をくぐる。漆谷は橋が架かっている谷を指しており“しったに”と読む。上原は揖斐川の対岸の地名であり“あんぎゃら”と読む。揖斐川にあるカンノセ岩という大岩があり、行き交う人が岩に向かって合掌した逸話に因んでいる。

85.カンノセ合掌隧道駐車場 86.磯谷ベロリ橋と櫨原義徳隧道 87.扇谷姫街道橋
 カンノセ合掌隧道を出て右カーブを曲がっていると公衆トイレのある簡易駐車帯の前を通って磯谷ベロリ橋を渡って櫨原義徳隧道をくぐる。磯谷は橋が架けられている谷で、その奥にあると言われるベロリ穴に因んでいる。櫨原村という地名と村人の生活信条である義徳を付けた名称であり、全長は1292mである。
 櫨原義徳隧道を出ると扇谷姫街道橋を渡る。扇谷は橋が架けられている谷を指し、越前を越える街道を通って多くの姫が櫨原の地に入ってきた事に因んでいる。扇谷姫街道橋を渡った先に道路が接続しているが、そちらに進めがヘアピンカーブを経て櫨原展望台に行く事ができる。西詰には櫨原展望台に至る道路が交差している。

88.村平コト谷橋 89.シッペ由定橋 90.塚白椿隧道
 その後は村平コト谷橋とシッペ由定橋という短い橋を渡る。村平コト谷橋の村平は櫨原集落の中心だった村平という地を、コト谷は橋が架かっている谷を指している。シッペ由定橋は橋が架かっているシッペ谷とそれにまつわる由定伝説に因んでいる。
 冠山峠道路が開通するまでは最奥のトンネルだった塚白椿隧道をくぐる。その名称は塚という地名と“宮山の白椿”という民話に因んでいる。このトンネルの全長は3330mと徳山バイパスの中では最も長い。

91.かつての端点付近に簡易パーキングあり 92.冠山峠道路 開通記念碑
 塚白椿隧道を出ると公衆トイレのあるヘリポートを兼ねた駐車スペースの前を通る。その西で冠山林道が交差しており、冠山峠道路が開通する以前は分断区間の端点であった。分断区間を繋いでいた冠山林道は舗装はされているものの1.0車線幅と狭く落石も多い。1年の半分以上は冬季閉鎖されるうえに冬季以外であっても災害による通行止となる事も多かった。冠山峠道路が開通した事により快走路になっただけでなく冬季閉鎖もなく通年で通行ができるようになった。冠山峠道路が開通する前、2018年10月8日に冠山林道を走行したページはこちら

93.塚宮ケ原トンネル 94.「上り5.6%勾配」 95.シタ谷4号橋
 冠山林道との交差点の直後に品谷橋を渡って塚宮ケ原トンネルをくぐる。勾配は5.6%とやや急ではあるが開通したばかりのバイパス道路とあって走りにくさはほとんど感じない。シタ谷1号橋から5号橋が架けられているが、どれもシタ谷に架かっている訳ではない。

96.シタ谷の谷筋を上る 97.冠山トンネル 98.福井県池田町に入る
 簡易駐車帯を過ぎて緩やかな右カーブを曲がってシタ谷5号橋を渡ると冠山トンネルに入る。全長は4834mで冠山の山頂の直下を通っておりそこが岐阜県揖斐川町と福井県池田町の境である。
 トンネルを出ると足羽源流橋を渡って旧道との交差点を通過する。冠山峠道路が開通する以前は交差点から400mほど先が国道の端点でそこに冠山林道が接続していた。ウォっちずでは2023年12月時点も端点までは国道として扱われている。

99.田代第三トンネル 100.田代第二トンネル 101.田代第三トンネル
 足羽川の右岸を下っていると鷹巣谷橋で左岸に移ると同時に田代第三トンネルをくぐり、少し走ってから田代第二トンネルと田代第一トンネルをくぐる。田代第三トンネルから北の区間は冠山峠道路よりも先に供用されており、前回(2018年)の走行時も通っている。トンネルのそのものは変化は見られないが、白線が引かれており落石防止対策が施されていた。

102.足羽川沿いを下る 103.河内トンネル 104.赤岩橋
 田代第三トンネル以降は足羽川の流域を下っておりやや急なものを含めてカーブが多い。河内トンネルをくぐった後に緩やかな右カーブを曲がって赤岩橋を渡る。上流側に旧赤岩橋が残っており、ウォっちずでは南側の道路が描かれていないが、実際は接続道路を含めて残っている。

105.右側の砂利の山は冠山トンネルの残土? 106.河内スノーシェッド 107.上島用水
 赤岩橋からしばらくは直線基調となるが、折坂橋以降は再びカーブが多くなる。いくつかの橋を渡って足羽川の左岸と右岸を行ったり来たりしながら緩やかな勾配を下って行く。右カーブの外側に滝が見えるが、これは上島用水という1800年代初頭に造られた灌漑用の用水路である。河内スノーシェッドから上島上水にかけては2018年の時点で狭路区間が残っていたが、冠山峠道路の開通に合わせて改良されていた。

108.市野瀬橋 109.志津原集落 110.池田町月ケ瀬
 足羽川の右岸を走っていると市野瀬橋を渡る。センターライン付きの2車線道路ではあるものの車線幅に余裕がなく大型トラック同士の離合は難しい。次の大橋からは狭いながらも北向き車線側に歩道が設置されている。志津原集落では道のオアシス「フォーシーズンズ」が建設されているところであった。元々あった池田観光情報ステーションを解体撤去して新たに造られるようである。

111.月ケ瀬集落 112.常安集落 113.2車線道路ながら車線幅に余裕なし
 月ケ瀬集落を通り抜けて常安橋を渡ると常安集落に差し掛かるが、家屋が建ち並ぶ中を通っており乗用車はともかく大型トラックであれば狭苦しさを感じるかもしれない。家屋のない場所であっても車線幅に余裕はない。

114.R476交差点 115.R476重複区間 116.R476交差点を右方向へ進む
 市集落に入った所でR476との交差点に突き当たる。一旦停止した後に左折してR476との重複区間を200m弱進む。重複区間の距離が短いせいもあって最初の交差点の案内標識に2つの交差点が表記されている。また、重複区間は1.5車線幅とやや狭い。
 R476から分岐する交差点は直前の案内標識では直進であるかのように描かれているが、実際は左折のR476が道なりに左でR471は右方向へ進まなければならない。R417、R476ともに越前市が案内されているが、前者は板垣経由、後者は魚見坂経由となっている。なお、魚見坂方面のR476は分断区間があり、越前市に至るのは福井r201である。

国道417号 part3