国道490号
part2

山口r32交差点〜R191木間入口交差点
美祢市→萩市

66.山口r32交差点からは2.0車線幅 67.腰の低いお知らせ!! 68.集落もあり強烈な狭さではない
 山口r32交差点を左折するとセンターラインのない2.0車線幅と道路のグレードが落ちる。勾配を下って大田川沿いを走るが、その手前に管理者の山口県が設置したお知らせ看板が設置されている。曰く、「この先、このR490においては萩までの間(美東町二反田〜萩市山田の間13km)は道路巾が狭く乗用車でも通行が難しい箇所があります。お急ぎとは思いますがUターンをしてr32の通行を御勧めします。」。やたら長い文章なので通り過ぎざまに読む事は不可能だが、幸にして交通量は少ないので一時停止してじっくり読む事ができる。この手の警告にしては丁寧だが、要するに“狭いから通るな”という事である。その後は大田川に沿って進むが道幅は1.5〜2.0車線なので強烈に狭いという訳ではない。

69.集落内で2回目のお知らせ!! 70.左は美東大滝・小滝・鯨ヶ岳登山口への道路 71.最終お知らせ!!
 大田川の右岸に移ってからも1.8〜2.0車線幅の道路を走る。沿線の家屋は数えられる程度しかないが田畑が広がっている。美東大滝・小滝・鯨ヶ岳登山口に向かう道路との交差点をカーブしながら通過すると最終のお知らせ看板を通過する。この3本目の看板が集落と田畑が途切れる地点でもある。

72.右は二反田ため池の湿地植物群落 73.土砂流入を防ぐ(?)土嚢 74.路肩には落ち葉が堆積している
 最終お知らせ看板を通り過ぎると道幅は1.5車線と狭くなる。少し進むと右側に湿地が見えるが、ただの耕作放棄地ではなく二反田ため池という池でカキツバタ等の湿地植物群落である。ため池からはさらに狭く1.0車線幅になる。勾配は緩やかで、カーブも急なものはない。お知らせ看板の影響か、交通量は少ないようで路肩には落葉の時期でもないのに多くの落ち葉が堆積している。

75.笹目峠 76.木間集落の説明 77.中国自然歩道でもある
 山口r32交差点から約2.0km、最終お知らせ標識から約600mで市境の笹目峠に至る。標高は270mと低く、勾配が緩やかなせいで峠らしくない風景である。市境標識も小さく目立たず、木間集落についての説明と中国自然歩道の利用者への注意事項の看板の方が目立っている。木間集落の説明に「萩のバスセンターから西南方向へ約15キロの道のりで、バス便もあり便利になっています」と書かれているが、1日3往復しかない事からバス便がなかったころに比べれば“便利”という意味合いだろう。

78.萩市側も1.0車線幅狭路 79.ガードレールが設置された箇所もある 80.法面維持工事中
 笹目峠を越えて萩市に入ってからも道路状況は変わらず1.0車線幅の狭路が続いている。右カーブを曲がると道幅が若干広くなり景色が開け、沿線に田畑が見えてくる。走行した日は法面の維持工事が行われており、路上に工事車両が停められていたためまさに路肩ギリギリまで車を寄せて通らなければならなかった。3ナンバー車であれば脱輪もしくは工事車両との接触の可能性が高かっただろう。交通誘導員は置かれておらず作業員の誘導もなかった。

81.桑の木集落 82.桑の木集落の分岐を道なりに進む 83.酷道である事の主張を忘れない
 工事現場を過ぎると先方に桑の木集落が見えてくる。集落と言っても数軒の家屋が点在しているだけである。その集落で市道との交差点を通過するが、ご丁寧に案内標識が設置されている。R490は道なりに進むだけなので案内標識がなくてもルートミスする事はないだろう。その後は桑の木川の右岸を走っており、鬱蒼とした木々に覆われた場所もあれば田畑や作業小屋がある場所もある。

84.沿線は家屋よりも田畑が多い 85.左の道路は家屋への私道(?) 86.釜ヶ迫集落
 桑の木川に沿って狭路を走っていると釜ヶ迫集落を通過するが、その南端には家屋への出入口の私道との交差点にも案内標識が設置されている。ここも道なりに進む道路がR490なので間違う可能性は低い。さらに付け加えると私道のガードレールは通常の白色であるので、その点でも間違えないだろう。
87.行ったもん勝ちのストレート 88.山口r308交差点を右折
 釜ヶ迫集落を過ぎると1.0車線幅の直線道路を少し走り、桑の木川が合流した直後の惣田川を堂々橋で渡り、その北詰で山口r308との交差点に突き当たる。案内標識には萩や美東町の消えかけたものに「490号→」が新たに付け加えられているので迷う事はないだろう。

89.山口r308交差点以降も狭い 90.野戸呂集落 91.山口r308交差点
 山口r308交差点からも1.0車線幅の狭路が続いている、2014年発行のスーパーマップルにはr308交差点以南が“悪路離合困難”とされているが、以北も離合困難である。惣田川の右岸の山裾を左にカーブすると前方に野戸呂集落が見えてきて、その手前でr308交差点を通過する。R490は左側の上り勾配の道路である。r308には1.7mの制限幅があるため3ナンバー車は法的に通行する事ができない。

92.山口r308分岐後も狭路が続く 93.女屋敷へは市道経由の方が便利 94.女屋敷バス停
 山口r308との交差点からは少し勾配を上り惣田川を離れる。川沿いはr308が走っているが、前述の通り1.7m制限幅のため実用性は低いだろう。r308沿線に女屋敷という集落が存在しているが、そこへは少し北で交差している市道を経由した方がより安全に行く事ができる。ウォッちずでは市道とr308の交差点から集落方向の道路が描かれていないが、実際には道路は繋がっている。杉林の中の狭路区間に女屋敷バス停が設置されており、周囲に家屋が見られないが、下にr308がありその沿線に集落がある。バス停から直接集落に降りる道なり階段なりは確認できなかったので結局は市道経由で回り込まないといけないものと思われる。

95.退避スペースは少ない 96.拡幅工事現場を通る 97.短距離ながら拡幅されている
 鬱蒼とした木々に覆われた1.0車線狭路を走る。交通量は少ないとは言え奥に集落があるため皆無とまでは言えない。この日も軽自動車とごみ収集車の2台とすれ違った。退避できるスペースは少なく、バックしての離合を余儀なくされた。
 そんな狭路を走っていると工事現場に出くわす。拡幅のため山を削っているようで片側交互通行規制が敷かれているとの予告看板が立てられていたが、交通誘導員も信号機もなく規制も敷かれてないようだった。工事現場からはセンターライン付きの2車線道路になり、舗装がまだ新しいころから開通してさほど時間が経過していないと思われる。山の斜面を嵩上げして道路を造ったようで、山肌に沿った旧道が見える。

98.所々に急勾配がある 99.ガードレールがあったらあったで狭く感じる 100.センターライン痕が見える
 改良された区間は僅か100m強で終わり、その後はこれまでと同じ1.0車線幅狭路を走る。相変わらず小刻みなカーブが多く見通しは悪いが、それに加えてやや急な勾配もあり厄介な区間である。左、右と急カーブを曲がった先で道幅が広くなり消えかけたセンターラインも確認できるが、ここも100m程でまた狭くなってしまう。

101.見定・下切集落に至る市道と交差 102.池ヶ峠 103.狭路区間が終わる
 消えかけたセンターライン区間からは狭くなると言っても1.5車線幅なので多少マシになっている。見定・下切集落や山口r308に至る市道との交差点を過ぎると上り勾配となって池ヶ峠を越える。標高は100mと笹目峠よりも低い峠で勾配も特別急という訳ではないが、峠部分の見通しが悪いので対向車の存在を気にしながら走った方が良いだろう。過去に事故があったのか、対向車に注意を促す看板が立てられている。峠を越えてすぐに舗装が新しくなると同時にセンターラインが現れる。笹目峠から池ヶ峠にかけての狭路区間が終わる場所である。最終お知らせ看板からの距離は約7.8kmである。

104.旧道との交差点 105.後藤ノ浴から杉山浴へ移動 106.杉山浴沿いを下る
 センターライン付きの2車線道路になってから少し走ると旧道との交差点を通過する。前回走行時(2008年)はここで旧道に進まされたが、今回はバイパスが開通しておりそのまま道なりに2車線道路を走る事になる。なお、旧道は国道の指定を外れているものの沿線に集落と田畑があるため現在でも通行する事ができる。桑の木集落から山口r308にかけての区間と似たような道路状況と風景である。
 山田バイパスは旧道が後藤ノ浴を通っていたのに対してひとつ西の杉山浴を通っており、山を越えなければならないが山が切り開かれており峠を通る訳ではない。杉山浴に沿ってやや急な勾配と緩やかなカーブの2車線道路を下っていく。

107.九郎坊集落 108.旧道と合流 109.萩市田中
 杉山浴と長木浴を合わせた玉江川に沿って大きく右にカーブして九郎坊集落を通り過ぎる。その辺りから勾配が緩やかになり、玉江川に架かる天神橋の東詰で旧道との交差点を通過する。距離は旧道が2.6km、バイパスが約3.2kmとバイパスの方が長いが、道路状況の良さで時間的な距離はバイパスの方が短い。バイパスとの交差点からはほぼ平坦な2車線道路を走る。玉江川に沿っているがカーブは少なく走りやすい道路状況である。

110.R191山陰道の玉江大橋の下を通過 111.玉江橋 112.R191木間入口交差点
 集落が途切れた所でR191山陰道の玉江大橋の下を通過し、そのすぐ先で左の急カーブを曲がって玉江橋を渡る。橋の手前には旧道と思われる道路が交差しているが、軽車両を除く車両は7時から8時まで、大貨等は8時から翌7時までの時間帯は進入する事ができない。
 玉江橋の直後でR191木間入口交差点に突き当たる。萩市の市街地から約3kmのこの場所がR490の起点である。車両感応式となっており感知器の支持物が案内標識の前にあって見にくい状態になっている。

 以上が自治体公認の酷道、R490である。酷道区間は10kmに満たず、総延長からの割合も2割を切っているが、件のお知らせ標識が設置されている事で知名度が上がったと言えるかもしれない。