国道319号
part4

愛媛r5交差点〜R11三島金子交差点
四国中央市

134.愛媛r5交差点の直後から狭路 135.「別子山41km 富郷22km」 136.この区間も落ち葉が多い
 愛媛r5交差点からはセンターラインがなくなるどころか道幅は1.5車線と狭くなり酷道の様相を帯びてくる。道路情報板の手前に工事の時間帯通行止の看板が立っていたが、「解除中」との磁石ステッカーが貼られていたので特に気にすることもなく車を進ませた。
 r5が分岐して以降は等高線に沿っているため勾配は緩やかだが、それ故にカーブが多く見通しが悪い。新宮ダムのダム湖の湖面から100〜150m程高い位置を走っているのだが、樹木などに視界を遮れれているため湖面は見えない。道幅は県境区間に比べると若干広いが落ち葉等の堆積物によって有効な幅が狭くなっている箇所もある。

137.堀切峠への市道(林道?)との交差点には多くの看板が立っているが… 138.時間帯通行止規制中 139.作業50分、休憩10分のサイクル(昼食時と夜間早朝を除く)
 愛媛r5交差点から約1.5km走ると堀切峠や法皇スカイライン、翠波高原に至る市道(林道?)との交差点に突き当たるが、左折がR319である。交差点の近傍に置かれた多数の看板が気になるが、「解除中」だと信じて左折しようとすると…無情にも「車両通行止」と書かれた看板が目に入る。カーブミラーの支柱に立てかけられた時間帯通行止のお知らせを見ると通行止になる時間であった。30分待てば通行可能時間になるので仕方なく待つことにした。ダム湖畔の市道(?)で迂回できるためか、交通誘導員は置かれていない。
 通行可能時間になったが、「解除中」の磁石ステッカーを貼りに来るのを待っていたが、5分程待っても来なかったため看板とガードレールの間をすり抜けて奥に進む。工事現場付近には工事関係者の車両が止まっており、各自その中で昼飯を取っていた。迂回路があり交通量が極めて少ない区間なので結構いいかげんな模様。

140.通行止箇所の直後は落ち葉が大量にある 141.カーブの多い狭路が続く 142.センターラインがあるのはカーブ部分だけ
 通行止の起点の直後には大量の落ち葉が堆積しており交通量が極めて少ない事を示している。右側の上り勾配の1.0車線道路はこの先の市仲集落に至る市道だが、この先工事箇所より手前でR319に交差しているため迂回路の機能はない。
 落ち葉が堆積しているのは市道が交差している辺りだけで以降は路肩部分を除いて普通の状態を続く。道幅は1.0〜1.5車線と狭くカーブが多いため見通しは悪いが、勾配が緩やかなのが救いである。通行可能時間帯とは言え通行止区間の中なので交通量は極めて少ない。

143.愛媛r5交差点以降最初の建物が廃屋 144.市仲集落 145.連続ヘアピンカーブで標高を下げる
 通行止規制区間に入って約1.0kmで市仲集落に属する家屋の前を通るが、草木が生い茂っており廃屋と思われる。その廃屋のすぐ先に道路が交差しているが、これが前述の山の斜面にへばりつくような市仲集落を通り抜ける市道である。さらに進むと沿線に数軒の家屋が建っており、市道沿いにはさらに多くの家屋がある。何軒かは廃屋だが定住者のいる家屋もあるようだ。その後、2ヶ所のヘアピンカーブを通過して標高を下げる。

146.通行止の原因は擁壁工事 147.近い未来の工事通行止箇所か 148.工事完了箇所
 市仲集落を通り過ぎてから右の急カーブを曲がった先で工事現場を通過する。今回の通行止の原因となった工事で、元々1.0車線狭路だった箇所の山を削って擁壁を造るとともに道路も多少拡幅するようである。工事現場からさらに進むと単管パイプを組んだものにブルーシートが付けられたものが立てられていた。シートの奥は山肌だったのでおそらく擁壁工事が行われるものと考えられる。さらに進むと擁壁工事が終わった場所も通過する。H鋼の杭跡より谷側が元々の道幅なのだろう。

149.市道との交差点が工事通行止区間の終点 150.こちら側も「解除中」が貼られていなかった 151.工事現場以西も通行止!?
 通行止の起点から約2.9kmで新宮ダム湖畔に沿っている市道との交差点に至るが、この市道が迂回路であり通行止区間の終点になっている。こちら側も道路半分を塞ぐ形で通行止看板が置かれている。通行可能時間帯だったが「解除中」の磁石ステッカーは貼られておらず、誘導員もいなかった。なお、迂回路の市道も1.0〜1.5車線と狭く、R319の道路状況と大差ない。
 工事通行止区間の終点は市道が交差しているため道路情報板が立てられているが、その上部には通行止を示す標識が表示されていた。道路情報には「早朝夜間 凍結注意」と「チェーン携行」としか表示されていなかったため通行止は古い情報と判断してそのまま車を進める。

152.古野橋の北詰で市道と交差 153.新宮ダム湖畔を走る 154.仙龍寺
 市道との交差点を通過すると1.0車線幅と狭くなり少し進むと新宮ダム湖の対岸を走っている市道との交差点を通過する。古野橋で銅山川を渡り、右岸を走り新宮ダムや旧新宮村の中心部に戻る市道だが、通過した日は工事のため通り抜けが不可能であった。
 その後も1.0車線狭路でダム湖畔を走っていると仙龍寺の前を左にカーブして通過する。周辺に集落もなく山深い所にある寺院なので四国八十八箇所のうちのひとつかと思えるがそうではないようだ。wikipediaの仙龍寺の項目には『四国八十八箇所六十五番札所三角寺奥の院、四国八十八箇所総奥の院、四国別格二十霊場十三番札所、四国三十六不動尊霊場二十六番札所』とある。

155.勾配はほとんどない 156.日浦集落 157.日浦バス停と神竜橋
 仙龍寺以降もダム湖畔の狭路が続き、約600mで日浦集落を通過する。R319沿線の家屋は2,3軒しかないが、山の斜面や神竜橋の北詰に接続する市道の先にいくつかの家屋が建っている。神竜橋の北詰の日浦バス停は旧新宮村の中心部から見て最奥のバス停である。

158.旧新宮村の最西端の家屋 159.金砂橋 160.金砂橋以降は轍苔が多い
 神竜橋を渡った南詰で右に直角にカーブしてからは銅山川の右岸を走る。道幅やカーブや勾配といった道路状況はこれまでと変わらず酷道の雰囲気が濃いものとなっている。道路沿いに建つ1軒の家屋の前を通り過ぎてすぐに左の急カーブを曲がり、金砂橋を渡る。橋の北詰に市道が交差しているが、この市道で山に分け入った先にも集落が存在している。
 金砂橋を渡り終えると右の急カーブを曲がり引き続き銅山川の右岸を走る。ガードレールが設置されており転落の危険性は低いが、道幅は狭く離合には難儀するだろう。また、山の北側を走っているため日当たりが悪いようで路面は湿っぽく薄い轍苔が目立つ。

161.落ち葉の量が増えてくる 162.トンネル開通後の旧道のような雰囲気 163.意外に多くのおにぎりが設置されている
 進むにつれて轍苔は濃くなり路上の落ち葉が多くなり、交通量が極めて少ない事が分かる。落ち葉の多さはここがトンネルなりバイパスなりが開通した後の旧道と言われても信じてしまいそうな状態である。そんな酷道の雰囲気が濃い区間だが、その割に多くのおにぎりが設置されている。

164.左側は家屋跡と思われる 165.見通しの悪いカーブが多い 166.この家屋は廃屋ではない
 鬱蒼とした状態を走っていると急に視界が開けた場所を走る。山側には平坦な場所があるので家屋や田畑があったものと思われる。その後は再び杉林を走るが、それまでほど日当たりは悪くないようで轍苔が見られなくなる。交通量は非常に少ないものの沿線に数軒だけ家屋があり、銅山川の対岸にも小さな集落が存在しているようである。

167.柳瀬ダムに至る道路との交差点を通過 168.木々が伐採されているのは拡幅工事のため? 169.荒れた路面の箇所のまだある
 金砂橋から約3.5km走ると柳瀬ダムに至る道路との交差点を通過する。交差点の山寄りには乗用車が数台程度停められるスペースがあるが、付近に特に何か見所のあるものが存在する訳ではない。交差点からは緩やかな上り勾配となる。カーブの状態に変化はないが道幅は1.0車線と非常に狭く離合できない箇所が多い。舗装そのものは荒れていないが路上堆積物が多いため荒れているように見える。

170.異常気象時通行規制区間の"起点" 171.奥谷橋 172.奥谷橋以西はカーブが多い
 柳瀬ダムへの道路との交差点から約1.2km走りやや急な左カーブを曲がった所で異常気象時通行規制区間の起点を通過する。終点ではなく“起点”であり、ここから西に2kmの間が規制区間である。時間雨量40mmと連続雨量200mmに加えて積雪30cmを超えた場合に通行止規制が掛かる。異常気象時通行規制区間に入ったからと言って道路状況に大きな変化はなく、むしろこれまでの区間が規制区間でない事に驚かされる。金砂湖に沿った狭路を走っていると奥谷橋を渡り右にカーブする。橋の西詰には作業道らしきものが交差しており、奥に採石場か何かがあるようでダンプらしきタイヤ痕が見られる。その奥谷橋からも狭路が続いているが、カーブが非常に多いため見通しが悪くかなり走りにくい。

173.工事は解除中となっているが… 174.昼休みのため工事は行われていなかった 175.翠波橋の南を通過
 狭路を走っていると工事規制を示す看板が立てられている。「解除中」となっているものの中山口バス停〜古野バス停間の通行止の件もあるので安心はできない。工事現場に着くと工事車両は止まっていたが昼休み時間だったため作業は行われておらず通過する事ができた。工事内容は擁壁か落石防止対策と思われる。工事現場を過ぎてすぐに赤色の翠波橋の南を通過するが、この橋は緊急車両を除いて通行できない。仮に通行できて対岸に行っても集落がある訳ではない。

176.湖面が見える数少ない場所 177.岩鍋集落 178.廃屋も少なからずある
 翠波橋を過ぎると金砂湖に注ぐ沢を回り込むように渡る。前述の異常気象時通行規制区間の起点からの距離が2kmの地点だが、終点を示す(または逆方向の起点を示す)標識はなかったように思える。その後再度金砂湖沿いとなるがここに来てようやく湖面がはっきり見える場所を通る。湖面を見ながら狭路を走っていると岩鍋集落を通り過ぎる。集落と言ってもこれまで通過した集落と同様に家屋は少なく廃屋も見られる。

179.市道との交差点を右折 180.小川橋 181.市道との交差点以降も狭路が続く
 岩鍋集落を通り過ぎてからダム湖畔の狭路を走り続けていると市道との交差点を右折して小川橋を渡らなければならない。案内標識は設置されているものの交差点の直近にしかなく、カーブの先に突然現れるので発見が遅れれば直進してしまう可能性がある。小川橋以降も1.0車線幅の狭路が続いているが、カーブは幾分かましになっており数も少なくなる。

182.少ないながらも退避スペースあり 183.道幅が広くなる 184.愛媛r6交差点を右折
 狭路のまま急カーブが連続する場所を過ぎると道幅が広くなる。と言っても1.5〜1.8車線程度なので一般的に言えば狭いと感じる範疇で強烈に狭い訳ではない。堀切トンネルの南の愛媛r5交差点から約18kmで愛媛r6交差点に至り、右折して三島方面に進む。

185.平野橋 186.「法皇トンネル 3.5m高さ制限 3km先」 187.久しぶりのセンターライン付き2車線区間
 愛媛r5交差点を右折してすぐに平野橋で銅山川を渡る。R32川口交差点からその流域を走ってきた銅山川を渡る最西端の場所であり、以降は離れた場所を走る。平野橋を渡り終えるとやや急な右カーブを曲がるが、そのカーブには3km先の法皇隧道に3.5mの制限高が設けられている事が警告されている。四国中央市の嶺南支所の前からはセンターライン付きの2車線道路になる。2車線道路は愛媛r5が重複していた区間以来である。

188.勾配を上っていく 189.異常気象時通行規制区間の起点を通過 190.翠波高原に向かう道路との交差点を通過
 しばらく金砂湖の湖畔を走っているが急カーブをいくつか通過する辺りからは上り勾配となって湖から離れていく。長野集落を通り過ぎると左のヘアピンカーブを通過するが、異常気象時通行規制区間の起点となっている。連続雨量40mm、時間雨量200mm、積雪30cmを超えると規制が掛かる。この数値は柳瀬ダムの西にあった2kmの区間と同じだが、道路状況は大きく異なっていても同じ数値なのは謎である。翠波高原への道路(林道?)との交差点を過ぎると連続でいくつかの急カーブを通過する。

191.法皇隧道 192.全長は1663m、制限高は3.5m
 緩やかな左カーブの先に3.5m制限高の法皇隧道がある。トンネル手前には車数台が停められる駐車場がありトイレも設置されている。が、あまり積極的に利用したくなるような外観ではない。トンネルのすぐ東には落差25mの水ヶ滝が流れており、見物客のために駐車場が設けられているものと思われる。トンネルの約450m西の山中には八ヶ滝が流れているが、舗装されていない道路を分け入る必要があるようだ。駐車場に車を停めて写真を撮っていると八ヶ滝から1台の車が出てきて、そのドライバー夫妻に話しかけられた。曰く「八ヶ滝の近くまで車でも行けるとのこと」。せっかくの情報だが、筆者は滝には興味ないのでお礼を言ったうえで滝を見に来たのではない事を告げた。夫妻からすると国道に興味がある人間というものを想像できないのではなかろうか。
 そして法皇隧道だが、大層な名称の割に幅が狭く乗用車でも1台しか通行できないうえに延長は1663mとかなりの長さである。トンネルの手前に信号機が設置されていない事からも分かるが、交互通行規制は敷かれていない。しかし安心してもらいたい。内部には8ヶ所の待避所があるためそこであれば離合可能である。あまり明るいトンネルではないが待避所はナトリウム灯ではなく蛍光灯が付けられており比較的遠くからでも分かりやすい。

193.トンネルを抜けると瀬戸内海が見える 194.ヘアピンカーブに具定展望所がある 195.路肩崩落復旧工事?
 法皇隧道を出るとセンターラインが復活して2車線道路になる。走りやすくなっただけでなく瀬戸内海を見渡せる風景が眼前に広がってくる。これまで都市部の幹線区間や鬱蒼とした酷道区間を走ってきたが、狭いトンネルを抜けて広がる景色に怒涛の展開を思わせる。トンネルから約900mのヘアピンカーブには展望所が設けられており、飲料自販機も置かれている。

196.瀬戸内海を見ながら勾配を下る 197.ヘアピンカーブで標高を下げる 198.右側の道路もR319
 等高線に沿っているもののやや急な勾配の2車線道路を下っていく。急なカーブもあるが交通量が少ないためか概ね走りやすい状況である。3つのヘアピンカーブで標高を一気に下げるが、その区間もセンターライン付きの2車線であり走りにくさはあまり感じない。

199.小刻みにカーブしているが走りやすい 200.山田大橋 201.権現トンネル
 ヘアピンカーブを過ぎるとしばらく急なカーブはないが、右の直角に近いカーブを曲がると山田大橋を渡る。特定の河川に対して架けられた橋と言うより山肌に沿ったカーブの多い区間のバイパスとして直線的に架けられた橋である。橋上はほぼ直線で法皇隧道方向には登坂車線がある。山田大橋に次いで光明大橋を渡った先で権現トンネルをくぐる。山田大橋から権現トンネルにかけては山に沿った旧道があるが通り抜けできない。

202.製紙工場の煙突が見える 203.松山道とほんの少しだけ並走 204.松山道より北は沿線に家屋がある
 権現トンネルを出ると四国中央市の市街地を正面に望むように見えてくる。煙を吐き出す煙突が見えるが製紙工場のものである。急勾配を下っていると松山道と少しだけ並走した後に左の急カーブを曲がって松山道の下をくぐる。その後は右に左に急カーブを曲がりながら勾配を下り、沿線の建物が現れてどんどん増えていく。

205.R11川之江三島バイパスとの交差点を通過 206.愛媛r124・r126三島郵便局前交差点 207.JR予讃線の井関踏切
 急カーブがなくなり勾配も緩やかになった所でR11川之江三島バイパスとの交差点に至る。R11のバイパスの交通量は非常に多いが、2016年12月時点では高松方面はR11現道に繋がっていない。バイパスとの交差点を直進すると四国中央市の中心部と言える場所と通っており周辺の建物も多い。緩やかな下り勾配の2車線道路を走っていると愛媛r124・r126三島郵便局前交差点を通過し、そのすぐ先でJR予讃線の井関踏切を渡る。踏切の東には伊予三島駅がある。

208.井関踏切からも下り勾配 209.R11・R192三島金子交差点
 JR予讃線から再び緩やかな勾配を下り平坦になった所でR11R192三島金子交差点に至る。R192はR11に重複しているため案内標識には表記されていない。なお、原田西交差点〜三島金子交差点の間の距離はR319は約100kmだが、R11を走れば約40kmである。白地交差点〜三島金子交差点ではR319の約60kmに対してR192は約26kmである。R11やR192、徳島道・高知道・松山道があるため、R319沿線住民の利便性向上のための小さな改良はあっても劇的に改善される可能性は低いだろう。