国道168号
part1

R42橋本交差点〜R425ワラビ尾交差点
新宮市→田辺市→
→十津川村

1.R24・R169橋本交差点 2.橋本交差点付近は拡幅工事中だった 3.新越路トンネル
 和歌山県の東、三重県に接する新宮市の市街地の近くにR168の起点の橋本交差点がある。紀伊半島の沿岸部を走るR42に対してR168はその中央部を縦断している国道である。案内標識には表記されていないが同じく紀伊半島を縦断しているR169が重複している。
 橋本交差点から走行を開始すると北側が拡幅(歩道設置?)のため工事中であった。工事現場は100m程で終わり、市街地から離れるように東の方角に進む。ごく緩やかな上り勾配が越路トンネル東交差点を越えると急になる。現在は対面2車線の新越路トンネルが供用されているが、すぐ右には越路隧道の坑口がある。1.8車線程度と元々広くなかった越路隧道はその3分の1が歩道化されているものの車両の通行そのものが禁止されていない。新越路トンネルは2009年に開通したが、新越路トンネルと南桧杖橋が歩行者・自転車・軽車両の通行が禁止されているため越路隧道を含む区間もまだ国道の指定が外れていない。なお、越路隧道の上には旧越路隧道が存在しているが、前後の道路が廃道状態のためオフロードバイクはともかく4輪車での通行は不可能だろう。

4.右側に見えるのは熊野川 5.桧杖橋 6.山側の道路は現道
 新越路トンネルを抜けると右手に熊野川を見ながら勾配を下る。平坦になった所で越路隧道からの現道と合流し、熊野川の右岸に沿ってほとんど勾配のない2車線道路を走る。南桧杖集落を過ぎた先に桧杖橋があるが、その前後の区間の山沿いの道路もなぜか国道の指定を外れていない。

7.大河沿いだがカーブが多い 8.和歌山r230相賀橋北詰交差点 9.熊野川の右岸を走る
 熊野川に沿った2車線道路を淡々と走る。河口からさほど離れていない場所ではあるが、意外に急なカーブが多い。勾配はアップダウンを繰り返しているが、緩やかなので大して気にならない。熊野川は県境の河川のため、対岸は三重県紀和町であり見えているガードレールは三重r740のものである。

10.吊鐘隧道 11.洞門の奥に高田口隧道 12.白見の滝
 急な右カーブを曲がった先で吊鐘隧道を通過し、さらに進むと短い洞門のすぐ先で高田口隧道を通過する。隧道をいう名称からして古くて狭いトンネルを思い浮かべるかもしれないが、吊鐘隧道も高田口隧道も歩道はないものの普通の2車線である。高田口隧道から約700m北には道路のすぐ近くに白見の滝が流れている。さらに700m北に布引の滝があるが、国道から少し(と言っても十数メートル程度)離れている。

13.川幅が狭くなっていく 14.道の駅「瀞峡街道熊野川」 15.新宮市熊野川町田長
 だいぶ川幅の狭くなった熊野川の右岸をひたすら走る。対岸が三重県という点において変化はないが、紀和町から熊野市に変わっている。熊野川と国道の間に道の駅「瀞峡街道熊野川」が立地している。2011年9月4日の台風12号により建物が流出して道の駅としての機能が失われてしまったが、2012年7月から段階的に施設ができて2015年3月に再建されている。

16.田長トンネル 17.田長トンネルを出た先を左折して現道へ進む
 道の駅からさほど走らないうちに緩やかに左にカーブしている上り勾配の先に田長トンネルがある。その手前には右斜め前方に道路が延びているが、トンネルの旧道に当たる区間も指定を外れていない。今回はトンネルを出た先の交差点を左折して現道に進んでいる。

18.現道区間も走りやすい2車線道路 19.三津野橋 20.和歌山r44交差点を右折
 交差点を左折して現道に進み勾配を下っているとトンネル区間の現道と交差する。以降は平坦な2車線道路となっており、バイパスが建設されたとは言え走りやすい道路状況と言える。赤木川に架かる三津野橋だけはセンターラインがなく1.8車線と大型車の離合が難しい幅である。
 三津野橋を渡り終えてすぐに和歌山r44との交差点がある。案内標識を見えると右の急カーブにr44が接続しているような表記だが、実際には完全な右折である。路面に残る線の跡から察するに、元々はカーブに県道が接続している形状だったのが、日足バイパスの開通を機に変更されたのだろう。なお、R168のすぐ先にも右折できる道路があるが、そちらは熊野川中学校に向かう市道である。

21.おにぎりも残っている 22.右前方に見えるのがR168日足バイパス 23.和歌山r780交差点の直後にバイパスに合流
 和歌山r44交差点の直後に五條まで115kmを示す案内標識が立てられているが、そのすぐ傍にはおにぎりが残っている。このおにぎりがなければわざわざ現道を走る事もなかっただろう。r44交差点からも2車線道路が続いており、特に走りにくさを感じる道路状況ではない。左の急カーブを曲がった後に和歌山r780が接続している直角カーブを右に曲がってR168日足バイパスとの交差点に突き当たる。案内標識が設置されていないが、五條・十津川方面は左折である。なお、日足バイパスの三津野高架橋と田長トンネルは歩行者・軽車両・自転車の通行が禁止されており、現道が国道に指定され続けているのはそれが要因と思われる。

24.和歌山r780の三和大橋の制限高は4.5m 25.熊野川右岸を快走 26.志古隧道
 バイパスに合流してから1.5車線幅の和歌山r780と柵を隔てて並走し、r780の三和大橋の下をくぐる。前述の通り熊野川が県境のため、r780の和歌山県区間は非常に短い。引き続き熊野川の右岸の2車線道路を走っていると志古隧道を通過する。隧道となっているものの一応はセンターラインのある2車線幅である。

27.熊野川沿い状態が続いている 28.前方に見えるのは宮井橋 29.R169・R311宮井交差点
 対岸の三重r740と熊野川を挟んだ状態が続いているが、それは宮井交差点までである。宮井交差点でR169が北山・紀和方面に分岐し、同時にR311が重複してくる。R311は起点もしくは終点が宮井交差点という訳ではなくR169北山方面にも重複している。宮井交差点は曜日や時間帯によっては結構な交通量があるのだが、信号機も右折車線も設置されていない。

30.短いロックシェッドあり 31.引き続き熊野川沿いを走る 32.雨量通行規制区間の起点
 宮井交差点を通過してすぐに短いロックシェッドをくぐる。熊野川沿いという状況は変わらないが、県境は支流の北山川となっているため対岸も新宮市域である。小さな集落を結びながら緩やかなカーブが多い2車線道路を快走する。まだ集落が存在しているが、雨量通行規制区間に入る。連続雨量が180mmを超えた場合に通行止規制となり、ゲートも設置されている。

33.長いロックシェッドあり 34.枯木谷橋は上下線が別 35.東屋敷トンネル
 雨量通行規制区間を走っていると十津川第二発電所の対岸で比較的長いロックシェッドを通過する。さらに快走を続けると枯木谷橋を渡るが、中央分離帯が設置されている。おそらく改良に伴って別の橋を架けたものと思われる。枯木谷橋から緩やかに左にカーブしている緩やかな勾配を上っていると東屋敷トンネルと二ッ石トンネルを連続で通過する。東屋敷トンネルの東側坑口付近で交差している道路が旧道だが、沿線に集落があるため閉鎖されていない。また、二ッ石トンネルの途中に市境があり、トンネル以東は田辺市である。

36.請川橋 37.和歌山r241交差点 38.和歌山r45交差点
 田辺市に入ってからも道路状況は周辺の風景に特に変化はなく熊野川の右岸を淡々と走る。中央分離帯のある下北橋を渡った直後で和歌山r241交差点を通過し、請川橋の北詰で和歌山r45交差点を通過する。ちなみに新宮市方面に向かっている場合のr45交差点の案内標識には和歌山r241のヘキサが表記されている。

39.R311本宮交差点 40.本宮交差点以降も快走路 41.R311現道との交差点
 和歌山r45交差点から少し走るとR311本宮交差点を通過して、ここでR311が白浜・田辺方面に分岐する。交差点のある場所自体が田辺市域だが、平成の大合併以前は本宮町であり当時の表記がそのまま残っているのだろう。五條市も五“条”のままである。もっとも五条に関して言えばほとんどの案内標識が修正されていない。
 本宮交差点からも熊野川に沿った2車線道路が続いている。既に改良されており勾配はほとんどなくカーブも緩やかなので走りやすい。約7.0km走ると湯峯方面の道路との信号機のない交差点を通過するが、これはR311の現道である。案内標識におにぎりは表記されていないが、ウォッちずでは未だ国道色に塗られており現役扱いされている。

42.「五条96km 十津川27km」 43.旧道との交差点
 R311現道との交差点付近は旧本宮町の中心部だった場所のため沿線の建物が多い。世界遺産に指定されている熊野三山のうちの熊野本宮大社があるため休日を中心に観光客が多い。同じく熊野三山の熊野速玉神社はR42・R168・R169橋本交差点から北に1.5km程の位置にあり、また熊野川も参道(中辺路)の一部として世界遺産の指定を受けている。
 旧本宮町市街地を通り過ぎると熊野川沿いの2車線快走路を北上する。左の急カーブを曲がると熊野川から離れ、緩やかな右カーブの途中で左斜め前方に旧道が接続している。本宮道路が供用されて事により旧道は国道の指定を外れているが、旧道区間の中に道の駅「奥熊野古道ほんぐう」がある。2014年発行のスーパーマップルには切畑第一大橋の南詰の東側にマークされているが、バイパスからは出入りできない。

44.九鬼トンネル 45.切畑第一大橋と切畑トンネル 46.土河原トンネル
 旧道との交差点を通過して緩やかな勾配を上っていると九鬼トンネルに入り、出てきたところで切畑第一大橋を渡り、次いで切畑トンネルと切畑第二大橋を通過する。切畑第一、第二大橋はともに熊野川に架かっている橋で蛇行している川に対してバイパスらしい直線基調の線形である。
 切畑第二大橋を渡り終えると旧道(正確には旧道とバイパスを繋ぐ連絡路)との交差点を通過するが、手前の案内標識には右直角矢印が描かれている。交差点のすぐ先には土河原トンネルが見えているので右折してしまう可能性は極めて低いだろう。土河原トンネルは2005年に開通したものの内壁のコンクリート剥がれが発生したため2012年7月から2014年12月にかけて補修が行われ、旧道が迂回路として指定されていた名残だろう。五條と十津川という地名だけ消して矢印をそのままにするくらいなら直進の矢印を追加した方がすっきりすると思うのは筆者だけではあるまい。

47.奈良県十津川村に入る 48.七色高架橋 49.二ッ野ランプ(予定)
 土河原の北側坑口付近に県境があり、トンネル以北は奈良県十津川村である。北方領土内の自治体を除いて日本で最も面積の大きい村であり、紀伊半島の酷道を走行した際に必ず通る村である。そんな十津川村に入ってからは本宮道路から続く十津川道路の七色高架橋という複数の高架橋が連続するバイパスを走る。七色ランプ(と言ってもただの平面交差点)を通過して2号橋、3号橋と次々に橋梁を通過するが、2016年3月時点で開通しているのは7号橋までである。バイパス自体は直線で伸びるため、現道との接続は左、右と急カーブを2回曲がる必要がある。10号橋まで開通した際には二ッ野ランプとして供される予定である。なお、土河原トンネルから七色高架橋にかけての旧道は一部狭い箇所尾あるが8〜9割はセンターライン付きの2車線道路である。

50.十二滝 51.桑畑第三隧道 52.桑畑第一隧道
 二ッ野ランプからは現道となるが、前述の通りセンターラインのある2車線道路と強烈な狭路という訳ではない。勾配はほとんどないものの見通しの悪い急カーブが多く、断崖を走っているため落石もいくつか見られた。それ故に連続高架橋でバイパスを建設する計画があるのだろう。道路が改良された要因でもある二津野ダムの西で桑畑第三隧道と第二隧道を通過し、少し離れて第一隧道を通過する。3つともセンターラインのない2.0車線幅と狭く大型車同士の離合は不可能かもしれない。また坑口の第三隧道と第一隧道は坑口付近が急カーブなので見通しが悪い。

53.桑畑集落 54.果無隧道 55.小井集落以降は1.5車線狭路
 見通しの悪いカーブの多い2車線道路を走っていると桑畑集落を通過する。右にカーブしてから桑畑谷川を渡り、その先でも右にカーブして果無隧道をくぐる。果無隧道もセンターラインが引かれていない。果無隧道を出ると2車線道路になるが、法面工事による片側交互通行規制箇所を通過し、小井集落でセンターラインがなくなって1.8〜2.0車線幅と少々狭くなってしまう。

56.櫟砂古集落 57.柳本橋 58.R425ワラビ尾交差点
 小井集落を通り過ぎるとセンターラインが復活するが、見通しの悪いカーブが続く状況は変わらない。熊野川越しに比較的大きな集落が見えてくると1.8車線幅の柳本橋を渡り、北詰でR425とのワラビ尾交差点を通過する。300m手前の案内標識では直進であるかのように、交差点直前の案内標識では右に分岐するような描かれ方をしているが、実際は緩やかに右にカーブするという感覚である。なお、折立橋が架かっているのは熊野川ではなく支流の西川であり、かの有名なR425牛廻越の十津川村域はその西川に沿っている。

国道168号 part2